コロナ禍の昨年から話題になっていたので、prime videoで試聴しました。

2009年、監督は瀬々敬久氏。よく感じることですが、小説を映画化する場合、細かく描かれた多くのシーンからどの場面を選んで約2時間に凝縮させるか、また組み直すかによって大きく印象が変わります。そういう意味では、この作品も所々ストーリーに飛躍があり、割愛した部分を含めて改めて原作を読むとよりリアリティがあるのかもしれません(ダヴィンチ・コードの原作を読んでから映画を見た際に、特に痛感しました)。

妻夫木聡さん演じる医師の元に一人の救急患者が運び込まれてくるが、その患者は高熱、痙攣、さらに吐血をし、懸命の治療も虚しく死亡してしまい、やがて院内感染も含め正体不明のウイルスへの感染は日本全国に広がってパニック状態に陥っていく…

パンデミックを題材とした作品は様々なメディアで多く存在しますが、つまるところ正体を突き止めてワクチンや特効薬の開発、または血清などによって対処できるところまでたどりつけるか。そして、それまでの間に如何に科学的根拠に基づいた正確な情報を皆が共有できるか。この作品では風評の危険性も描いており、この度のコロナ禍においても、ウイルスそのものよりもむしろパンデミックに立ち向かう上で重要なポイントかもしれません。奇しくも今朝のニュースでノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロ氏が「現在は科学的根拠に基づかずに自分が思ったことを正しいと信じる風潮がある」とインタビューで答えていましたが、まさに少し立ち止まって自分以外の人の考え、感情を思うこと、そして科学を信じて自分の考えをしっかりと掘り下げること。つまりは思考を停止させないことが重要です。

読書→思考→映画→思考→行動→思考→読書…

ちゃんと合間合間に「考えること」を意識してサンドイッチしようと、あらためて思いました。かなりの部分で、感覚でバッサバッサとやってしまう質なので…