「日本尺八演奏家ネットワーク(JSPN)第二回公演(5/13)」に向けたリハーサルに参加して来ました。今回私が演奏するのは杵屋正邦作曲の尺八三重奏「風動」です。ご一緒させていただくのは、駆け出しの頃から和楽器グループ「むつのを」などでお世話になって来ました大先輩の難波竹山氏(第一尺八)と、尺八の腕前はもちろん、多方面で才能を発揮されている田嶋謙一氏(第二尺八)です。私は二尺四寸管(A管)を使用する第三尺八を担当します。
リハーサルは私が理事を務める日本音楽集団の練習場(渋谷区笹塚)を使用。昨年からのCOVID-19の影響でそもそも演奏家に会う機会が少ない中、お二人とお会いするのも久しぶりなら、演奏をご一緒するのはさらにいつ振りか…
日本音楽集団の定期公演に助演していただいた事もある難波氏ですが、最後に練習場にいらしたのは約10年以上前とのこと。扉を開けて練習場に一歩足を踏み入れた途端「あ!キレイになってる!」と。そうです。10年前は数百を数える演奏家や作曲家が踏み固めて来た、なんとも言えないくすんだ色のカーペットが敷かれていましたが、団員自らの手で無垢の板張り、よく言えばフローリングに施工したのです。壁も天井も真っ白に塗り直し、ビフォー・アフターのように生まれ変わりました。そしてタイミングの良いことに、先週年度末の大掃除をちょうどしたところで、よりキレイに見えたことでしょう。
いつも楽しい話で話題の尽きない難波氏としばしお話をしていると、田嶋氏も登場。近況もそこそこにリハーサル開始です。
そもそも、この3名での合奏は本邦初、生まれて初めてのことなので、どういう音になるのでしょう…とは言え素晴らしい腕前は折り紙付きなので、期待と安心と少し手探りと緊張と、ひとたび音が鳴り始めるとその世界へと一気に入っていきました。
この「風動」という曲は尺八三本会をはじめ、これまでに実に多くの名人・達人たちにより演奏されて来ており、ある程度尺八演奏家の中ではいくつかのイメージができている曲なので、今回はどういう形や雰囲気にするか、いろいろ悩ましいところも抱きながら準備していましたが、不思議なことに、音を出し始めると自然と求められる音へ、そして自分も意図した音へと誘われるように、どの型でもないこの「生まれて初めて一緒に音を出す3人組」の音楽となっていきました。
一度全体を通して演奏し、その後は細かい申し合わせを数カ所行い部分部分音を出して確認、そして再度通して演奏。お二人とも実に繊細かつダイナミックな演奏で、私は気が張りっぱなしなのか心地よいのか、プレッシャーと充実感とのはざまという感じの1時間でした。
本番までにもう一度あるリハーサルへ向けてまだまだ練習が必要ですが、緊急事態宣言が出てますます苦しい状況になる中、緊張しながらも満たされた時間を過ごさせていただきました。一期一会の十数分の舞台へ向けて頑張ります(≧∀≦)
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