ブログを怠けていて新年のご挨拶をできずにおりましたので、新年度を迎えて改めまして…
世界中の人々がそうだっと思いますが、昨年度はいろんな意味で困難な1年でした。新たなウイルスの出現によって様々な対応を強いられ、それまで平穏に?送って来た生活様式では難しい部分が多々生じ、適応を求められました。特に仕事の面で失うものも多かったのは事実ですが、立ち止まらざるを得なくなった事により、それまでの生き方を見直し、困難を契機に気付き、考え直し、得たものも多かったように思います。
まず分かりやすいところでは生活習慣。仕事が激減した事により、毎日時間に余裕が生まれ、深夜まで活動する必要がなくなりました。そこで昨年の春から突然早寝早起き生活となり、夜は22:00前後に寝て、朝は5:00頃に起床するようになりました。さらには起きてすぐランニングに出るように。約半年で600kmほど走りました。健康的な肉体になるには有酸素運動だけではいけないと、筋力トレーニングもはじめました。尺八の練習と違って楽しかったのは、回数を重ねればそれだけ結果が出るという事。ちゃんと取り組めば、例えば少しづつ重いものを持ち上げられるようになったり回数が増えたり、より速いペースで走ることができるようになる事に喜びを覚え、達成感を味わいました。
また、長年「いつかは取り組まねば…」と思いつつもスタートできなかったことを、思い切って始めることができました。常々、より良い音楽を作曲するためにはちゃんとした勉強をする必要があると考えていましたが、まとまった時間がないのを口実に先延ばしにしながら、今ある知識で曲を作っていましたが、とある縁から、音楽理論をマンツーマンで教えていただける事になり、取り組み始めました。やり始めると、自分が作曲する上で本当に必要な事だと分かり、今では一生をかけて取り組む意義を感じながら少しづつ勉強しています。今後、様々な形でその成果を表すことができればこの上ない喜びです。
そして本業の尺八の演奏。この仕事に取り組み始めてから20年、生活できるようになるため、また生活を維持し続けることができるようにするため、とにかく多くの演奏機会と出演の場を増やす事に邁進して来ました。おかげさまで多くの音楽仲間と支えてくださる方々のおかげで、世界中で様々な形でパフォーマンスをすることができるようになりました。しかしながら、ピークというものが訪れ、やがて違う波が来るのは世の常でして、演奏の回数という意味では少しづつ下降線を辿っていた時にこのパンデミック。ステージやライブそのものが制限されるという状況で否応なく考えさせられる事になります。演奏家は皆ピークを過ぎ歳を重ねると演奏機会は減っていきます。演奏の技量とは関係なく。その事実は認識していたものの、どこか頭の片隅で「なんとかしてその壁を乗り越えられる方法があるのでは?」と期待していた自分がいたと思います。しかしその考えから引き戻し、改めて今後、演奏家として、音楽に携わる者として、伝統楽器を扱う者として、どのように生きていくべきなのか、現実に即して考え直すきっかけとなったのは、このパンデミックがあったからです。結論は出ていませんが、もっと広い視野に立ち、あらゆる可能性を排除せずに自身の心の声と真摯に向き合いながら、模索しています。
気がつくとカタイ内容となりましたが、SNSにはない、ブログだからできる吐露ですので、やはり自分にはブログの方が向いているなと満足しています。
今年度もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします♫